70代、80代の親御さんが老人ホームに入居される際、「普段着は5組ほどご用意ください」と施設から案内されて、ふと手が止まってしまった経験はありませんか?「普段着といっても、家で着ていたようなリラックスウェアでいいのかしら…」「他の入居者さんの目もあるし、みすぼらしい格好はさせたくないな」「でも、着替えが大変な服は、本人も介護士さんも困るかもしれない…」そんな風に、親を想うからこそ、服装選びに頭を悩ませている方は少なくないはずです。
この記事では、介護の専門家である介護共育研究会代表の石川 立美子先生のお話をもとに、意外と知られていない老人ホームでの普段着の本当の意味と、親御さんが快適に、そして自分らしく過ごすための服装選びの具体的なポイントを詳しく解説します。この記事を読めば、あなたの「どうしたらいいの?」というお悩みがスッキリ解決し、自信を持って親御さんのための服を選べるようになりますよ。
対談相手紹介:介護共育研究家 石川 立美子先生
この記事は、株式会社介護共育研究会代表の石川 立美子先生との対談をもとに構成しています。
理念・活動
介護保険制度が開始された2000年より、医療・介護・福祉の現場で活動。介護される側・する側の双方が共に学び、支え合うことで「共に育つ」という考えを大切にされています。
五感と共感を重視した“共感ケア・サポート”を提唱し、認知症になっても安心して暮らせ、穏やかに自分らしく最期を迎えられる社会の実現を目指し、これまでに2万人以上への教育実績をお持ちです。
大切にしている3つの目線(アイ)
・本人の目線(eye)
・思いやり(愛)
・主体的な私(I)
【専門家が指摘】「家での普段着」と「老人ホームでの普段着」は意味が違う
「普段着」と聞くと、私たちはつい、家でくつろぐ時に着るリラックスウェアを思い浮かべがちです。しかし、介護共育研究会代表の石川先生は、この二つは意味合いが異なると指摘します。
自宅での普段着は「リラックス」が最優先
自宅は完全にプライベートな空間です。そのため、家で着る服は、とにかく体を締め付けず、心からリラックスできることが一番の目的になります。石川先生が「家に帰ったら着替えるのは、体を休めたいから」とおっしゃるように、誰の目も気にせず、心身を解放するための服が「家での普段着」と言えるでしょう。
施設での普段着は「社会性」と「自分らしさ」も大切
一方、老人ホームは、自室というプライベートな空間と、食堂や談話室といった他の入居者さんと交流する「共同生活の場」が共存する場所です。
「共同生活ってさっきも言っておられたようにまそこであの基本的には自分のお部屋ではリラックスしてそしてお部屋から皆さんと一緒に食事を食べるとか少し何かお話したりとかっていうようなこうあの時間っていうのもそういった共同施設ではあの結構あるかと思うんですね」
石川先生のこの言葉通り、施設での生活には「人との交流」が必ず伴います。そのため、単にリラックスできるだけでなく、他の人と会っても恥ずかしくない、ある程度の「きちんと感」が求められるのです。これは、「宅配便の人が来た時に出られる服かどうか」という基準で考えると、とても分かりやすいかもしれませんね。
後悔しない!老人ホームの普段着選び、3つの重要ポイント
では、具体的にどのような服を選べば良いのでしょうか。石川先生のお話から、大切な3つのポイントが見えてきます。
1. 本人が長時間着ていて「楽」なこと
まず大前提となるのが、ご本人が着ていて疲れない、楽な服であることです。体を締め付けるようなデザインや、肌触りの悪い素材は避けましょう。
・伸縮性のある素材: ジャージやカットソーなど、体の動きを妨げないストレッチ素材がおすすめです。
・軽い素材: 年齢を重ねると、服の重さも負担に感じることがあります。軽やかな素材を選んであげましょう。
・肌に優しい天然素材: 肌がデリケートになっていることも多いので、綿などの肌触りの良い素材が喜ばれます。
「体を休めたいから着替える」という家でのリラックス感は、もちろん施設での普段着にも必要な要素なのです。
2. 着脱がしやすく「介護しやすい」こと
ご本人や介護スタッフの負担を減らすために、着脱のしやすさは非常に重要なポイントです。
・前開きの服: ボタンが大きく掴みやすいものや、ファスナー、マジックテープ式のものが便利です。
・袖口や裾が広いデザイン: 腕や足を通しやすい、ゆったりとした作りの服を選びましょう。
・滑りの良い裏地: 上着などは、中に着ている服との摩擦が少ない素材だと、さらに着替えがスムーズになります。
ご自身で着替えをされる方はもちろん、介助が必要な場合でも、この「着脱のしやすさ」は日々のストレスを大きく軽減してくれます。
3. 心が華やぐ「おしゃれ」であること
そして、石川先生が特に大切だと語るのが「おしゃれ」であることです。これは単に見た目を飾るということではありません。
「周りの方とかもこう意識したご自身が来てて楽しい服とか…」
「目の前にいてる人に自分のおしゃれを見てもらうことで相手の人もまた楽しい気分になっていく」
お気に入りの服、素敵なデザインの服を着ることは、ご本人の気持ちを前向きにし、「今日も一日、元気に過ごそう」という活力を与えてくれます。また、その人らしい服装は、周りの人とのコミュニケーションのきっかけにもなり、生活に彩りを与えてくれるのです。
「おしゃれ」がもたらす、親と家族への素晴らしい効果
「もう年だから」「介護が必要だから」とおしゃれを諦めてしまうのは、とてももったいないことです。石川先生は、おしゃれには計り知れない力があると語ります。
「おしゃれっていうのはその人として生きていくま価値を上げるものというかあのそれを自分でやっぱり表現できるものですしそれからまご家族の方がご用意してくださるっていうことはその人を大切にするというその愛もなんか示すものだと思うんです」
子供世代である私たちが親のために素敵な服を選ぶという行為は、「あなたのことを大切に想っていますよ」という愛情表現そのものです。プレゼントされた服を着て、親御さんが笑顔になる。その姿を見て、私たちも嬉しくなる。おしゃれは、親と子の心をつなぎ、双方の生活の質(QOL)を高めてくれる、素晴らしいコミュニケーションツールなのです。
「その人らしさ」を大切にし、最後の瞬間まで自分らしくいられるよう支えること。それもまた、私たちにできる大切な親孝行の一つなのかもしれませんね。
【お悩み解決】乾燥機もOK!施設で本当に役立つファッションアイテム紹介
これまでのポイントに加えて、介護施設での服選びにはもう一つ、とても大切な視点があります。それは「乾燥機に対応しているか」ということです。多くの施設では洗濯物をまとめて業務用乾燥機で乾かすため、熱に弱いデリケートな素材は縮んだり傷んだりしてしまいます。
ここでは、「おしゃれ」と「機能性」、そして「お手入れのしやすさ」をすべて満たす、乾燥機対応のファッションアイテムをTCマートの商品からご紹介します。
【毎日の着替えに大活躍!】着心地抜群「乾燥機対応カットソー」
こんなお悩みを解決!
「とにかく着替えの枚数が必要。洗濯に強くて、着心地の良いインナーやトップスが欲しい。」
商品の特徴とメリット
毎日のように着て、洗濯を繰り返すトップスこそ、乾燥機対応が必須です。肌触りも良く、何枚あっても重宝する基本のアイテムです。ポロシャツタイプを選べば、少しきちんと感も出せますよ。
介護のプロが厳選!これさえあれば安心!【カットソー・ポロシャツ】
【見た目はきちんと、でも楽ちん!】乾燥機OKの「カジュアルストレッチパンツ」
こんなお悩みを解決!
「ジャージばかりじゃ味気ないけど、窮屈なズボンは履きたがらない…。楽でおしゃれ、しかも手入れが簡単なパンツはないかしら?」
介護のプロが厳選!これさえあれば安心!【パンツ】
【乾燥機OKで縮まない!】気軽に羽織れる「あったかニットカーディガン」
こんなお悩みを解決!
「施設は温度調節が難しいから、サッと羽織れるものが必要。でも、ニットは乾燥機で縮むのが心配…」
商品の特徴とメリット
このカーディガンは、ご家庭の洗濯機はもちろん、施設の業務用乾燥機にも対応した特別な素材で作られています。縮みを気にせず、いつでも清潔な状態で使えるのが嬉しいポイント。少し肌寒い時に気軽に羽織れて、上品な印象も与えてくれます。
利用者の声(想定)
「母の施設から『乾燥機OKの服を』と指定され探していました。これなら気兼ねなく洗濯に出せると喜んでいます。毛玉もできにくくて助かります。」
[ここに「乾燥機対応 あたたかニットカーディガン」のECサイトへのリンクを挿入]
介護のプロが厳選!これさえあれば安心!【カーディガン・ベスト】
まとめ
今回は、介護の専門家のお話をもとに、老人ホームでの普段着選びについて掘り下げてきました。
大切なポイントは、
・本人が長時間着ていて楽なこと
・着脱がしやすく、介護の負担も軽いこと
・心が華やぐような、その人らしい「おしゃれ」を楽しめること
・そして、施設生活では欠かせない「乾燥機に対応している」ことでした。
家でのリラックスウェアとは少し違う、「社会性」と「自分らしさ」、そして「手入れのしやすさ」を意識した服装選びが、親御さんの施設での生活をより豊かで快適なものにしてくれます。そして、私たちが心を込めて選んだ一着の服は、言葉以上に雄弁な愛情表現となり、親御さんの笑顔につながるはずです。
この記事が、あなたの親御さんへの大切な一着を選ぶ、素晴らしいきっかけとなれば幸いです。