「ゴムが1カ所に溜まり、抜けないので調べた処、ゴムの端が生地にミシンで縫われてました」
キテコに届いたはがきの一文です。書いてくださったのは80代の男性ご本人。届いたスラックスのウエストゴムがきつかったので、自分で細いゴムに入れ替えようとして、できなかった。別の方は「ゴム穴がなくお直しが大変でした。他の方々はどうしているのでしょうか?」と書いておられました。
ウエストゴムのズボンは、高齢のご家族にとって着替えの負担がいちばん少ない形です。ところが「総ゴム」と書いてあっても、そのゴムがきついか、ゆるいか、そしてあとから替えられるかどうかは、履いてみるまで分かりません。きつければ食後に苦しく、ゆるければずり落ちる。どちらも、そのうち履かなくなる理由になります。
この記事の内容
ウエストゴムがきつい・ゆるいを今すぐ何とかする方法
手元にあるズボンをどうにかしたい。やれることは、ウエストの内側にゴムの入れ替え口があるかどうかで大きく変わります。まずそこを確かめてください。
① 入れ替え口がある場合|ゴムを丸ごと交換する
ウエストの内側に、縫い目が数センチだけ開いている箇所があります。これが入れ替え口です。ここから今のゴムを引き出し、新しい平ゴムに取り替えます。
コツは、古いゴムの端に新しいゴムを重ねて安全ピンで留め、古いゴムを引き抜きながら新しいゴムを一緒に通すこと。ゴム通しがなくても、大きめの安全ピンで代用できます。ウエストを一周させたら、両端を2〜3cm重ねてミシンか手縫いで留め、入れ替え口に戻します。
選ぶゴムの目安:締めつけが苦しい方は、幅の細い15〜25mm程度のやわらかい平ゴムへ。太い30mm幅のゴムは、しっかり支える代わりにお腹への当たりが強くなります。
② 入れ替え口がない(縫い付けてある)場合
冒頭のはがきのように、ゴムの端が生地に縫い付けられていることがあります。この場合、入れ替え口を作るところから始めなければなりません。
ウエスト内側の縫い目をリッパーで3〜4cmだけほどき、そこからゴムを出して交換し、最後に手縫いで閉じます。縫い付けられた端は、切り離してから新しいゴムを縫い合わせます。ゴムがねじれたまま戻ると履き心地が悪くなるので、通し終わったら一度平らに整えてください。
おすすめしない方法:はがきには「ゴム口をハサミで切ってゴムを替えた」という声もありました。表地を切ると、そこからほつれが広がります。ほどくのは裏側の縫い目だけにしてください。自信がなければ、お直し店に出したほうが確実で、結果的に安く済みます。
③ ゆるくなってずり落ちるときの応急処置
ゴムが伸びきってしまった場合、交換がいちばん確実ですが、その場でしのぐ手もあります。ウエスト裏側でゴムを数センチつまみ、重ねた部分を縫い留めれば全体が縮みます。市販のウエスト調整アジャスターを使う方法もあります。
ただし、ゴムが伸びるのは生地も一緒に傷んでいるサインのことが多いものです。何度も応急処置を繰り返すより、入れ替え口のある一本に買い替えたほうが長く使えます。
④ お直しに出すという選択
ご本人が高齢で、ご家族も離れて暮らしている。そういう場合、裁縫の時間そのものが負担です。ウエストのゴム交換は、街のお直し店でも受け付けています。
キテコでも有料の裾上げ加工を承っています。ご希望の商品と「裾上げ加工」を一緒にカートへお入れください。丈が長すぎて毎回ご家族が詰めている、という場合はご相談ください。
はがきで届いたご要望
キテコでは、商品に同封したはがきでご意見をいただいています。手書きで返ってくる一次情報です。ウエストゴムについては、次のような声が繰り返し届いていました。個人が特定されないよう、要旨にしてあります。
お客様からのはがきより
- 「ウエストゴムとは言え少々きゅう屈な様子だったので、ゴムを替えたり足したりしようと思ったのですが、ゴム穴がなくお直しが大変でした。他の方々はどうしているのでしょうか?」(80代男性用)
- 「購入した商品は太いゴムが入っていてキツかった。でも、ゴムのかえる口がなかったので、ズボンゴム口をハサミで切ってゴムをかえた。不便」(80代男性用)
- 「ウエストのゴム部分がキツイ。高齢者向けではないと思う。ゴムが、ゆるい(やわらかい)方がいい」(婦人パンツ)
- 「全体ゴムのズボン、ぬぎ着し易く大変気に入っております。希望をいえば、食後等、ゴムをゆるめられたら便利だと思います」
- 「ゴムがゆるいものだと弱くなってしまい、ゴムがきつい(ほとんど伸ばせない)ため着用していないと言います」(高齢の母用)
共通しているのは、「ゴムが合わない」ではなく「ゴムを直せない」という不満です。きつすぎるゴムも、伸びきったゴムも、替えられさえすれば解決する。替えられないから、そのズボンは箪笥にしまわれる。
キテコには、ウエストのゴム入れ替え口を最初から付けた商品があります。ご要望に応えて作られたものですが、商品名に小さく書いてあるだけで、これまできちんとお伝えできていませんでした。
「ゴムが替えられるか」で選ぶ3つの基準
高齢のご家族のズボンを選ぶとき、サイズ表とにらめっこする前に見てほしい点が3つあります。体型は変わります。ウエストは、その変化がいちばん早く出る場所です。
① ゴム入れ替え口があるか
最優先はここです。入れ替え口があれば、きつければ細いゴムへ、伸びたら新しいゴムへ、何度でも直せます。体重が減っても増えても、同じ一本を履き続けられます。
商品ページの説明に「ゴム入れ替え口付き」「ゴムの入れ替えができる」と書かれているかを確認してください。書いていない商品は、縫い付け式と考えたほうが安全です。
② ゴムの幅とやわらかさ
太いゴムはずり落ちにくい代わりに、お腹への当たりが強くなります。座っている時間が長い方、食後に苦しくなる方には、幅の細いやわらかなゴムのほうが合います。
逆に、腰が細くなってずり落ちる方は、ある程度の幅があるほうが安定します。どちらが正解ということはなく、入れ替えられれば後から合わせられる、というのが本当の答えです。
③ 股上の深さ(背中が出ないか)
背中が丸くなってくると、前かがみになったときにズボンの後ろが下がり、背中や下着が見えてしまいます。ウエストゴムを気にして選んだのに、今度は後ろが気になる。よくある落とし穴です。
後ろ側の股上が深く取ってある「後ろ深履き」の設計なら、かがんでも背中が出にくくなります。ゴムの調整と股上の深さは、セットで見てください。
ゴムで困りにくいズボン7選
キテコの取り扱いから、ウエストで困りにくい7本を選びました。ゴム入れ替え口が付いているのは、このうち4本です。残る3本は入れ替えこそできませんが、締めつけにくさやサイズ展開で選ぶ価値があります。どちらなのかを各商品に明記しました。
ゴムを入れ替えられる4本
ゴム入れ替え口あり×乾燥機対応×後ろ深履き。三拍子そろった一本

[装生] 乾燥機対応 婦人 春秋用 ゴム入れ替え 後ろ深履きパンツ 股下55cm
4,980円(税込)
- ゴム入れ替え口あり。きつければ細いゴムへ、伸びたら新品へ交換できる
- 後ろ側の股上が深く、前かがみでも背中・下着が見えにくい
- 乾燥機対応。施設の洗濯乾燥に出せる
- サイズ S・M・L・LL・3L/カラー モカ・グレー・ブラック
- ポリエステル98%・ポリウレタン2%のストレッチ素材
お客様の声(1件・★5.00)
- 「腰の曲がった母に購入しました。いつも背中の辺りが少し出てしまっていましたが、この深履パンツは背中まですっぽり履けて丈の長さもピッタリで、全面に折り目が付いているので綺麗に見えてとても気に入りました」(母親用)
施設の洗濯に耐えて、きちんと見える。紳士の定番

紳士用 乾燥機対応 ゴム入れ替え スラックス 股下64〜66cm
6,990円(税込)
- ゴム入れ替え口あり。「締め付けが強い場合やゴムが伸びた時も調整可能」と商品説明に明記
- やわらかいウエストゴムで、締めつけが穏やか
- 前開きファスナー・ベルトループ・両脇ポケット付きで、見た目はスラックスのまま
- 乾燥機対応。ポリエステル100%で型崩れしにくい
- サイズ S・M・L・LL・3L/カラー グレー・ネイビー
お客様の声(5件・★4.60)
- 「施設洗濯に耐える優れもの。乾燥機対応の衣類が購入できるところは少なく、こちらのサイトで初めて購入。薄手でさらっとした生地感で足入れもしやすいようです。総合的に見てお値段も良心的だと思います」(叔父用・施設入居)
- 「お洗濯も安心で、着心地も良いようです」(父親用・日常使い)
14件の★4.57。「ゴムがきつすぎず、手伝う人も脱ぎ着しやすい」

婦人用 毛玉になりにくい ゴム入れ替え かるらくのびパンツ 股下55cm
2,990円(税込)
- ゴム入れ替え口あり。やわらかゴムで長時間履いても楽
- ちりめん調の強撚素材で、毛玉やほこりが付きにくい
- 股上が深めで、裏地付き。シワにもなりにくい
- 名前ラベル付き。施設でのお預けにも
- サイズ S・M・L・LL/カラー モカ・グレー・ブラック・グレンチェック
お客様の声(14件・★4.57)
- 「ゴムがきつすぎず、本人も手伝う人の方も脱ぎ着がしやすいです」(母親用・日常使い)
- 「高齢の母は骨粗鬆症で、身長も小さくなり、合うボトムがありませんでした。そんな中、股下丈で検索したところ、こちらのパンツにたどりつきました」(母親用)
股下68cm。脚の長い方でも裾上げなしで履ける夏用

[装生] 乾燥機対応 紳士 夏用 ゴム入れ替え スラックス 股下68cm
4,980円(税込)
- ゴム入れ替え口あり。「体型の変化やゴムの劣化にも対応」と商品説明に明記
- 股下68cm。短い丈ばかりのシニア向けズボンでは希少
- ウエスト総ゴムに前ファスナーとベルトループ付き
- 軽量で通気性がよく、乾燥機対応。ネームタグ付き
- サイズ S・M・L・LL・3L/カラー グレー・ネイビー
入れ替えはできないが、締めつけにくい3本
16件の★4.81。S〜5Lまで、お腹をやさしく包む深ばき
37件の★4.73。ゴムなのにスラックスに見える日本製
「後ろポケットが欲しい」というご要望に応えた夏素材
シーン別・迷ったときのガイド
結局どれを選べばいいのか。いちばん困っている点から絞ると早く決まります。
ウエストがきつくて履いてくれない
ゴムを細くやわらかいものに替えれば解決します。入れ替え口のある一本を選んでください。
おすすめ:婦人用 毛玉になりにくい ゴム入れ替え かるらくのびパンツ(2,990円)/紳士用 乾燥機対応 ゴム入れ替え スラックス(6,990円)
施設に入っていて、洗濯乾燥に出される
乾燥機対応かどうかが最優先です。縮んで履けなくなるのがいちばんもったいない結果になります。
おすすめ:[装生] 婦人 ゴム入れ替え 後ろ深履きパンツ(4,980円)/[装生] 紳士 夏用 ゴム入れ替え スラックス(4,980円)
前かがみになると背中や下着が見えてしまう
後ろの股上が深い設計を選びます。ゴムの調整より、まずこちらが効きます。
おすすめ:[装生] 婦人 ゴム入れ替え 後ろ深履きパンツ(4,980円)/乾燥機対応 お腹らくらく深ばきパンツ(4,980円)
通院や外出に、きちんとした格好をさせたい
ゴムでも見た目がスラックスのものを。前ファスナーとベルトループがあると、それらしく見えます。
おすすめ:紳士 ウエストゴム きちんと見えるスラックス(3,990円)
避けたほうがよい選び方:「とりあえず大きめ」。ウエストが余るとずり落ち、裾を踏んで転倒につながります。大きめを買うより、合うサイズでゴムを調整できる一本を選んでください。
まだお応えできていないこと
正直に書いておきます。はがきでいただいたご要望のうち、キテコがまだ形にできていないものがあります。
今後の課題として受け止めています
- ゴム入れ替え口は、まだ一部の商品にしか付いていません。7本中4本にとどまります。すべての商品に広げられているわけではありません。
- ゴムの幅を商品ページに書けていません。「太いゴムがきつかった」というご指摘をいただいているのに、何ミリのゴムが入っているかをお伝えできていない状態です。
- 「食後にゆるめられる」二段階の調整ができる商品は、まだありません。ご要望として承っています。
- レビューでも「お腹の形状の関係で、もう一ランク大きいものかタックの入ったサイズがあると助かる」というお声をいただいています。
はがきをくださった方にお読みいただくことを考えると、できていないことを書かずに済ませるわけにはいきません。ご要望は社内で共有しています。
よくある質問
ゴム入れ替え口とは何ですか?
ウエストの内側にある、数センチだけ縫い合わせていない開き口のことです。ここから中のゴムを引き出して、別のゴムに交換できます。入れ替え口がないズボンは、縫い目をほどくところから始めなければなりません。
入れ替える平ゴムは、何ミリのものを選べばいいですか?
締めつけが苦しい方には幅15〜25mm程度のやわらかい平ゴム、ずり落ちが気になる方には25〜30mm程度が目安です。手芸店やホームセンター、通販で購入できます。今入っているゴムを抜いたときに幅を測っておくと、選びやすくなります。
ゴムが縫い付けてあるズボンは、自分で直せますか?
できますが、手間がかかります。ウエスト内側の縫い目を3〜4cmほどリッパーでほどき、縫い付けられたゴムの端を切り離してから交換し、最後に手縫いで閉じます。表地をハサミで切るのは避けてください。ほつれが広がります。裁縫に不慣れな場合は、お直し店に依頼したほうが確実です。
丈が長すぎるのですが、裾上げをお願いできますか?
有料の裾上げ加工を承っています。ご希望の商品と「裾上げ加工」を一緒にカートへお入れください。股下55cm・65cm・68cmなど、もともと丈違いで展開している商品もありますので、そちらもご検討ください。
施設に入っている家族に贈ります。洗濯で縮みませんか?
施設では洗濯乾燥機にかけられることが多いため、乾燥機対応と明記された商品をお選びください。01・02・04・05が乾燥機に対応しています。名前を書けるタグが付いた商品を選んでおくと、施設でのお預けもスムーズです。
まとめ
- ウエストゴムの悩みは「合わない」ことより「直せない」ことにある。まずゴム入れ替え口の有無を確かめる
- 入れ替え口があれば、古いゴムに新しいゴムを安全ピンで留めて引き抜けば交換できる
- 縫い付けてある場合は裏側の縫い目だけをほどく。表地をハサミで切らない
- 締めつけが苦しい方は細くやわらかいゴムへ、ずり落ちる方は幅のあるゴムへ
- 背中が見えてしまう方は、ゴムより先に「後ろ深履き」の股上を確認する
- 施設に贈るなら、乾燥機対応かどうかを必ず見る
ゴムがきついという理由だけで、気に入っていたはずのズボンが箪笥の奥に入ってしまう。はがきを読んでいると、そういう一本が各家庭に眠っているのだと分かります。替えられると分かれば、もう一度履けるかもしれません。

























