「そろそろ紙パンツかしら」。お母さまがそうつぶやいたとき、すぐに紙に切り替える必要はないかもしれません。くしゃみをしたとき、立ち上がったとき、トイレに間に合わなかったとき——量も場面もそれぞれで、必要な備えも変わります。
布の吸水ショーツは、見た目がふつうの下着のままで、洗って繰り返し使えます。紙パンツに移る前の段階を長く支えてくれる一枚です。選ぶときの決め手は、デザインでも値段でもなく「吸水量(cc)」です。ここを外すと、多すぎてごわつくか、少なすぎて漏れるかのどちらかになります。
吸水量は、ご本人に量をたずねなくても「どんなときに困るか」でほぼ決まります。場面と量の対応さえ分かれば、あとは消臭加工と腰ゴムの仕様を見るだけです。
先に結論|女性用の尿もれパンツ・4つの要点
- 吸水量(cc)で選ぶ:くしゃみのちょこっと漏れなら50cc、立ち上がりで濡れるなら100cc、一回分がほぼ出るなら200cc以上
- 迷ったら一段階多め:足りないと、ご本人が外出をやめてしまう
- においが気になるなら消臭加工つき:吸収したアンモニア臭を別の成分に変えるタイプ
- 最低3枚、できれば5枚:吸水層があるぶん、ふつうの下着より乾くのに時間がかかる
この記事の内容
吸水量の早見表|50ccから300ccまでの選び分け
ご本人に量をたずねるのは気が引けるものですが、「どんなときに困るか」を聞けば、必要な量はだいたい決まります。
| 吸水量 | こんなときに | 本記事の該当品 |
|---|---|---|
| 50cc | 下着に少しつく。くしゃみ・咳・笑ったときにちょこっと出る | 腰ゴム 50cc |
| 100cc | 立ち上がったときなどに、はっきり濡れる。においも気になる | 腰ゴム 100cc |
| 150cc | トイレまで間に合わないことがある。横になる時間が長い | 腰ゴム 150cc |
| 200cc | 一回分がほぼ出てしまう。外出やお出かけの日も安心したい | デラックス 200cc |
| 300cc | 夜間や、デイサービスなど長時間トイレに行けない場面 | デラックス 300cc |
迷ったときは:実際の量より一段階だけ多いものを選びます。足りないと本人が外出をやめてしまうため、少なすぎるより多すぎるほうが安全です。
避けたほうがよい:いきなり300ccから始めること。厚みが出てズボンの上から目立ち、「おむつをはかされた」と感じて履かなくなります。
紙パンツに移る前に確かめたい4つのこと
吸水量が決まったら、残りは4点です。どれも実際に使い始めてから効いてきます。
① においの対策がしてあるか
ご本人がいちばん気にするのは、漏れることより「においがしていないか」です。尿のにおいの正体はアンモニアで、時間がたつほど強くなります。消臭加工のあるものは、吸収したアンモニア臭を別の成分に変えて抑えます。外出する予定があるなら、吸水量より先にここを見てください。
② 腰ゴムを取り替えられるか
吸水ショーツは繰り返し洗って使うぶん、生地より先にゴムがゆるみます。ゴムの取換え口があるものは、ゴムだけ入れ替えて長く使えます。ウエストがきついときに緩めることもできるので、体型が変わりやすい時期にはありがたい仕様です。
③ 見た目がふつうの下着かどうか
洗濯物を家族に見られるのも、施設で職員の方に渡すのも、本人にとっては小さなことではありません。レース使いのあるものや、やわらかな色のものなら、下着入れに並んでいても違和感がありません。少量タイプほど、この点は大事です。
④ 洗濯機にかけられるか・何枚必要か
毎日使うものなので、手洗い限定だと続きません。洗濯機が使えるかを確認したうえで、最低3枚、できれば5枚そろえてください。乾くまでの時間を考えると、3枚でぎりぎりです。
はがきで届いたご要望に応えて選びました
キテコには、商品に同封しているはがきでご家族やご本人から直接ご要望が届きます。この話題は口に出しにくいぶん、はがきには率直なお声が集まります。
お寄せいただいたご要望から
- 「90代の母は施設に入所しております。最近リハビリパンツをはき出しましたので、おしりを少しかくしたいようですが、チュニックのように長いとトイレで汚したりします」(90代女性のご家族)
- 「下着は、へそ上で伸びる、しめつけないゴム(綿)でゆるやかにはけるものがいい」
- 「オムツ・リハパンツを使用して車イスにすわっている事が多い」
- 「くつ下や下着・レッグウォーマーなど、ちくちくしなくて、しめつけがないものを、いつも要求されます。販売店が少く、いつも困っています」
紙のリハビリパンツに移ると、厚みが出てズボンのラインに響きます。「おしりを少しかくしたい」というのは、見た目の問題であると同時に、外に出る気持ちの問題でもあります。布の吸水ショーツで足りる量のうちは、そのほうが本人の気持ちが軽くなります。ちくちくしない綿の生地と、しめつけない腰ゴムも、毎日はくものだからこそ外せない条件です。
ズボンのにおいが取れなくてお困りの方は、父のズボンがアンモニア臭い…原因と対策は?今日からできる尿臭ケアとおすすめ肌着で洗濯の方法をご紹介しています。
吸水量べつ・婦人用吸水ショーツ5選
吸水量の少ない順に並べました。価格はすべて税込です。サイズはヒップ寸法で選びます(S=82〜90cm/M=87〜95cm/L=92〜100cm/LL=97〜105cm/3L=102〜110cm)。
50cc|2,420円。くしゃみのちょこっと漏れと、最初の一枚に
100cc|においが気になる方へ。アンモニア臭を変化させる消臭加工
150cc|吸水部が腰まで。横になる時間が長い方に
200cc|ダム付二重股構造。お出かけの日の備えに
300cc|夜間や、長時間トイレに行けない日に
シーン別・どれを選べばいいか迷ったときのガイド
同じ「尿もれ」でも、困っている場面はご家庭ごとに違います。場面から選ぶと決まりが早くなります。
本人はまだ認めていないが、下着に少しついている
ここで「尿もれ用を買ったよ」と渡すと、拒まれます。見た目がふつうの下着のものを、そっと下着入れに足しておくのが、いちばん角が立ちません。くしゃみや咳のときだけ困るという段階も、多くの場合は50ccで足ります。
この場面のおすすめ:腰ゴム 50cc(2,420円)足口にレースがつき、ふつうのショーツと見分けがつきにくい一枚です。まず1枚試して、足りるかどうかを確かめてから買い足してください。
においが気になって外出をためらっている
量よりも、においの処理がしてあるかどうかを優先します。消臭加工のあるものに替えるだけで、外出への気持ちが変わることがあります。
この場面のおすすめ:腰ゴム 100cc(3,740円)アンモニア臭を別の成分に変える消臭加工つきです。
デイサービスなど、長時間トイレに行けない日がある
行きと帰りの送迎を含めると、半日近くトイレに行けない日もあります。ふだん使いとは別に、そういう日用の一枚を用意しておくと安心です。
この場面のおすすめ:デラックス 200cc(5,060円)またはデラックス 300cc(6,490円)。
横になっている時間が長い
寝た姿勢では、股よりも腰のほうから漏れます。吸水部が腰まで届いているものを選んでください。
この場面のおすすめ:腰ゴム 150cc(4,290円)吸水部が腰まであり、腰からのモレを防ぎます。
避けたほうがよい:ふつうのショーツに尿とりパッドを重ねて使い続けること。ずれて横から漏れ、かえって洗濯物が増えます。
よくある質問
吸水ショーツと尿もれショーツは、何が違うのですか?
どちらも股の部分に吸水層が縫い込まれた布のショーツで、呼び方の違いに近いものです。ただ「吸水ショーツ」の名前では生理用として売られているものも多く、尿もれ用は、尿の量とにおいを前提に吸水量(cc)や消臭加工を表示しています。尿もれに使うなら、ccの表示があるものを選んでください。
尿もれそのものを防ぐパンツはありますか?
尿もれを止めるパンツはありませんが、漏れた尿を吸い取って、服や外にしみ出させないのが吸水ショーツの役目です。量に合った吸水量を選べば、ズボンまで濡れる心配はかなり減ります。回数や量が急に増えた、痛みがあるといったときは、下着で対応する前に泌尿器科などでご相談ください。
吸水ショーツと紙のリハビリパンツは、どう使い分ければいいですか?
目安は量と場面です。下着が少し濡れる程度で、ご本人がトイレまで歩ける段階なら、布の吸水ショーツで足ります。一回分がまるごと出てしまう、あるいはトイレに間に合わない回数が増えてきたら、紙のパンツへの切り替えを検討してください。両方をお持ちになり、外出する日だけ紙にするご家庭も多くあります。
何枚そろえればいいですか?
最低3枚、できれば5枚です。吸水層があるぶん、ふつうの下着より乾くのに時間がかかります。3枚では洗濯が回らず、結局ふだんの下着に戻ってしまいます。まず1枚試して吸水量が合うことを確かめ、それから枚数をそろえると無駄がありません。
洗濯はふつうの洗濯機で大丈夫ですか?
洗濯機の使える製品を選んでください。洗う前に水でさっとすすいでおくと、においが残りにくくなります。柔軟剤は吸水層の力を弱めることがあるため、使わないほうが長持ちします。乾燥機は吸水層と防水布を傷めるので避けてください。
サイズはいつもの下着と同じでいいですか?
ヒップ寸法で選んでください(S=82〜90cm、M=87〜95cm、L=92〜100cm、LL=97〜105cm、3L=102〜110cm)。吸水層があるぶん股の部分に厚みが出るので、迷ったら大きいほうを選ぶと窮屈になりません。ただし大きすぎると股の吸水層が体から離れて横漏れの原因になるため、二段階上げるのは避けてください。
本人に勧めても、必要ないと言われてしまいます。
「尿もれ用」と説明せず、ふつうの下着として下着入れに足しておくご家族が多いです。見た目がふつうのショーツに近い少量タイプなら受け入れられやすくなります。洗濯物が減った、外出を嫌がらなくなった、といった変化が先に出てくることもあります。
まとめ
- 吸水ショーツはデザインではなく吸水量(cc)で選ぶ。実際の量より一段階多いものが安全
- くしゃみのちょこっと漏れなら50cc、一回分がほぼ出るなら200cc以上が目安
- においが気になって外出をためらっているなら、消臭加工のある100ccタイプを
- 腰ゴムを取り替えられるものは、ゴムがゆるんでも入れ替えて長く使える
- 洗濯が回るよう、最低3枚・できれば5枚そろえる。乾燥機は使わない
- 量や回数が急に増えたときは、下着を替える前に受診を
この話題は、ご本人からはなかなか切り出せません。ご家族が黙って一枚足しておくだけで、「まだ出かけていい」と思える日が続きます。おばあさまやお母さまが、行きたい場所をあきらめずにすむように——そのための一枚として選んでいただけたらと思います。
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