「そろそろ靴を買い替えないと」と思って母の足元を見たとき、多くのご家族が同じ壁にぶつかります。歩きやすさを優先すると介護靴らしい見た目になり、見た目を優先すると脱ぎ履きに手こずる。どちらかを諦めるしかないように思えてきます。
ただ、70代80代の靴選びでほんとうに効くのは「おしゃれか、歩きやすいか」という二択ではありません。つま先の反り・開き方・幅の調整という3か所を押さえた靴は、結果としてどちらも成立します。逆にこの3か所を外すと、どんなに良い靴でも下駄箱で眠ります。
選んだ6足は、どれもその3か所を満たしながら、介護靴に見えないものです。価格・重さ・サイズ展開もあわせて載せたので、足のサイズがわかっていれば、このまま選べます。
先に結論|シニア女性の靴選び・4つの要点
- つま先が反っている:すり足気味でも、何もない廊下でつまずきにくい
- 座ったまま片手で開けられる:面ファスナーか内側のファスナー。ひも靴は避ける
- むくむ日に幅を変えられる:甲のベルトで調整できるか、3E〜11Eのように幅を選べるもの
- 介護靴に見えない:色や素材を選べると、ご本人が進んで履いてくれる
この記事の内容
70代80代の靴で外してはいけない5つの条件
店頭で試し履きができない通販だからこそ、先に条件を決めてから絞り込むほうが失敗しません。
① つま先が持ち上がっていること
年齢を重ねると歩幅が狭くなり、足の上がる高さが下がります。玄関の段差ではなく、何もない廊下でつまずくのはこのためです。つま先が巻き上がった靴は、すり足気味の歩き方でも引っかかりにくくなります。たとえば快歩主義L011は、つま先を20mm、踵を12mm巻き上げた設計で、日本転倒予防学会の推奨品になっています。
② 片手で、座ったまま開けられること
靴ひもは、腰やひざが痛むと結べません。かがむ姿勢そのものがつらくなるからです。面ファスナー(マジックテープ)で大きく開くタイプか、内側のファスナーで開くタイプなら、椅子に座ったまま片手で足を入れられます。玄関で毎日30秒短くなることが、外出の回数を左右します。
③ むくむ日に合わせて幅が変えられること
夕方だけ足がむくむ、暑い日だけ甲がきつい。この日内変動を吸収できるかどうかが、履き続けられるかの分かれ目です。ベルトで甲の締め具合を変えられる靴か、そもそも幅の選択肢が広い靴を選びます。3E(幅広)で足りなければ、5E・7E・9E・11Eまで展開のあるモデルもあります。親指の付け根が靴に当たって痛む方も、まずは幅の広いものから試してください。
④ 片足180g前後の軽さ
足が上がりにくい方にとって、靴の重さはそのまま疲れになります。外出用なら快歩主義L011が片足約165g、室内履きならエスパドが片足約55gです。数字で見ると小さな差ですが、一歩ごとに積み重なります。
⑤ 「介護靴に見えない」こと
ここが抜けると、機能が良くても本人が履きません。お祝いの席や記念撮影に履いていける見た目かどうか、色は黒一色以外に選べるか。おしゃれは気力に直結します。年齢を理由におしゃれを諦めないための条件として、最後に必ず確認してください。
3つだけ覚えるなら:つま先が反っている/大きく開く/甲のベルトで幅を変えられる。この3点を満たす靴は、70代80代の日常でほぼ失敗しません。
通販で失敗しないサイズの測り方
靴の失敗は、長さより幅で起こります。いつもの靴と同じ「23.5cm」を選んだのに甲が当たる、というのはこのためです。通販で頼む前に、ご自宅で次の3つだけ確かめておくと外れが減ります。
① 夕方に、左右とも測る
足は一日のうちでむくみ、夕方がいちばん大きくなります。朝に測った数字で選ぶと、夕方にきつくなります。左右で大きさが違うことも多いので、両足を測り、大きいほうに合わせて選んでください。
② 足の長さと、いちばん太いところの周りを測る
足の長さは、壁にかかとをつけて紙の上に立ち、いちばん長い指の先に印をつけて測ります。ふらつく方は、手すりや家族の肩につかまったまま測ってください。あわせて、親指の付け根と小指の付け根を結ぶいちばん太いところを、メジャーでぐるりと測ります。この周りの長さが、3E・4Eといった幅を選ぶときの目安になります。
③ 今の靴の中敷きと、冬の靴下を確かめる
いま履いている靴の中敷きを取り出して足を乗せると、長さの過不足がひと目でわかります。冬に厚手の靴下を履くなら、そのぶんのゆとりも見ておきます。室内履きのエスパドをお使いのお客様からは、「冬に厚手の靴下を履く場合は、ワンサイズ大きめを買っても良い」というお声もいただいています。
迷ったときは:長さはいつもどおり、幅は広めに。中敷きで調整できる靴なら、大きいほうに寄せても合わせやすくなります。
はがきで届いたご要望に応えて選びました
キテコでは、商品に同封しているはがきでご家族やご本人から直接ご要望をいただいています。足元についても、店頭では聞けない切実な声が届きます。
お寄せいただいたご要望から
- 「施設に入居しているので名前を書けるタグのようなものをつけてほしい、もしくは名前刺しゅうサービスがほしい」(88歳男性のご家族)
- 「足がむくんでいるので、しめつけのないものを希望します」
- 「締めつけがきつくなく、むくまないものがいい」
名前の件は、施設に持たせる靴でとくに多いご要望です。下でご紹介するダブルマジックⅢにはネーム刺しゅうがあり、油性ペンでにじませずに名前を入れられます。むくみについては、ベルトで幅を変えられるモデルと、幅そのものを選べるモデルの両方をご用意しました。
衣類への名前つけで困っている方は、デイサービス、老人ホーム施設で洋服に名前を書くときに便利!もあわせてご覧ください。
シニア女性がおしゃれに履ける婦人靴6足
外出に履く3足、施設に持たせる1足、室内履き2足です。どれもひもを結ばずに脱ぎ履きできます。価格はすべて税込です。
日本転倒予防学会の推奨品。片足約165gの軽い外出靴
1件の★5.00・本革3種のパッチワーク。お祝いの日にも履ける幅広5E

20,350円(税込)
- エナメル・スムース・ヌバックの3種類の革を組み合わせた、パッチワークのデザイン
- 幅広5E。甲は面ファスナーで大きく開き、座ったまま脱ぎ履きできる
- 厚手と薄手のカップインソールが2組付き。左右のサイズ差や、季節ごとの靴下の厚みに合わせて敷き替えられる
- サイズS(22.0〜22.5cm)・M(23.0〜23.5cm)・L(24.0〜24.5cm)
- カラーはレッド・ブラック・ダークブラウン・ライトシルバーの4色。日本製
お客様の声(1件・★5.00)
- 「杖に頼っての歩行ですので、よくある介護用の実用的な靴ばかりでしたが、今回のエナメルパッチワークの靴はおしゃれが好きだった母の好みにピッタリだったようです。靴幅もゆったりしていて着脱も簡単」(89歳の母親用)
内側ファスナーで開く、面ファスナーが苦手な方に

快歩主義L135 シンプルな刺繍入りのファスナー付きスニーカー 女性用
7,590円(税込)
- 内側のファスナーで開閉。面ファスナーの音や見た目が気になる方に
- お手入れの簡単な合皮素材。汚れを拭き取りやすい
- ひざの負担を軽減する「フットオンコントローラーシステム」を採用
- 靴底のフレックスラインがなめらかな屈曲を促し、歩行時に疲れにくい
- サイズ22.0〜25.0cm(0.5cmきざみ)・ワイズ3E/ブラック・ワイン・ブラウン/日本製
幅は3Eから11Eまで。ネーム刺しゅうができる施設向けの定番
4件の★5.00・片足約55gで3,520円。まず室内履きから替えるならこの一足

3,520円(税込)
- 「あゆみ」の室内履き。綿95%のニット素材が、やわらかく足を包む
- かかとにゴムが付き、浅めのかかとで足を入れやすく、それでいて脱げにくい
- 片方Lサイズで約55g。ワイズは3E相当
- サイズS〜3L(20.5〜27.5cm)/ブラック・グレー・ピンク・ブルー・ベージュ・ミントグリーン・紫の7色
- 手洗い可能(中性洗剤、形を整えて陰干し)
お客様の声(4件・★5.00)
- 「車椅子で生活している母には、しっかりした靴より柔らかく優しい感触がありがたいです」(母親用・施設入居)
- 「施設では長時間室内履きを履き続けることになるので、このぐらいのゆとりが嬉しいです」(母親用・施設入居)
- 「滑らない、脱げないから良いです。素足でも気持ちいいです」(日常使い)
室内用。むくんだ日でも幅広ベルトで合わせられる約70g
シーン別・どれを選べばいいか迷ったときのガイド
6足の違いは、使う場面で切り分けるといちばん早く決まります。
お祝いの席や記念撮影、お出かけの日に履く
晴れの日は、スニーカーだとご本人が気後れします。革の質感があり、色を選べるものを。足元がきちんとしていると、写真の印象が変わります。
この場面のおすすめ:レザーパッチワークデザイン 幅広サポートシューズ(20,350円)本革3種のパッチワークで、幅は5Eです。
デイサービスや施設に持たせる
他の方の靴と混ざらないよう、名前が入れられることが最優先です。加えて、職員の方が履かせる場面を考えると、大きく開くタイプが喜ばれます。
この場面のおすすめ:ダブルマジックⅢ(7,590円)ネーム刺しゅうができ、靴が大きく開きます。
足のむくみが日によって違う
朝と夕方で甲のきつさが変わる方は、幅の調整幅が広いものを選びます。外出用なら足囲そのものを選べるモデル、室内用なら幅広ベルトのモデルです。
この場面のおすすめ:外出用はダブルマジックⅢ(3E〜11E)、室内用はワイドベルトワッフル(4,400円)。
膝や腰が痛んで、かがむのがつらい
靴を履くたびに前かがみになるのが負担なら、座ったまま片手で開けられるものに替えるだけで楽になります。面ファスナーと内側ファスナーのどちらが扱いやすいかは、指先の力で決めてください。膝サポーターを使っている方は、膝サポーター 高齢者|つけっぱなしは逆効果?効果・選び方・付け方もあわせてご覧ください。
この場面のおすすめ:面ファスナーなら快歩主義L011(6,930円)、ファスナーなら快歩主義L135(7,590円)。
家の中で転びそうで不安
転倒はむしろ室内で起きます。スリッパは脱げやすく、かかとが固定されないぶん危険です。かかとを包む室内履きに替えるだけで、歩行はかなり安定します。
この場面のおすすめ:ワイドベルトワッフル(4,400円)かかとまで包み、滑り止めがついています。
まず室内履きから替えてみたい
外に出る靴を替える前に、家の中の一足から始める方法もあります。毎日長く履くものなので、ご本人が気に入るかどうかも早くわかります。
この場面のおすすめ:エスパド(3,520円)片足約55gで、色は7色から選べます。
避けたほうがよい:ひも靴、かかとのないスリッパ、底が完全に平らで硬い靴。いずれもつまずきと脱げの原因になります。
よくある質問
70代80代でもおしゃれに履けて、歩きやすい靴はありますか?
あります。つま先が反っていて、座ったまま開けられ、幅を調整できる靴のなかにも、革の質感や色で選べるものがあります。この記事では、本革3種を組み合わせたレザーパッチワークデザイン 幅広サポートシューズ(5E・4色)や、刺繍入りの快歩主義L135をご紹介しています。
シニア向けのレディース靴には、どんなブランドがありますか?
高齢の方向けの靴では、アサヒシューズの「快歩主義」や、徳武産業の「あゆみ」がよく知られています。キテコでもこの2つを扱っていて、この記事の快歩主義L011・L135は快歩主義、ダブルマジックⅢとエスパドはあゆみの商品です。ブランドで決めるより、つま先の反り・開き方・幅の3点が足に合うかで選ぶほうが失敗しません。
サイズは、いつも履いている靴と同じで大丈夫ですか?
長さは同じで問題ありませんが、幅は見直してください。年齢とともに足のアーチが下がり、同じ長さでも甲が当たるようになります。長さより先に足囲(3E・4Eなど)を確認するのが、通販でのサイズ選びのこつです。幅で迷う場合は、足囲を3Eから11Eまで選べるダブルマジックⅢが安全です。
外反母趾でも履ける靴はありますか?
親指の付け根が当たって痛む場合は、まず幅の広いものを試してください。幅広5Eのレザーパッチワークデザイン 幅広サポートシューズや、足囲を3Eから11Eまで選べるダブルマジックⅢが候補になります。痛みが強い、変形が進んでいるといった場合は、整形外科や靴の専門家にご相談ください。
施設に持たせるとき、名前はどこに書けばいいですか?
靴の内側に油性ペンで書く方法が一般的ですが、素材によってはにじみ、洗うと薄くなります。ダブルマジックⅢはネーム刺しゅうに対応しているので、洗濯を繰り返しても消えません。衣類の名前つけについては、デイサービス・老人ホーム施設で洋服に名前を書くときの記事もあわせてご覧ください。
洗えますか?施設の乾燥機にかけても平気ですか?
今回ご紹介した中では、ダブルマジックⅢ・エスパド・ワイドベルトワッフルが手洗い可能です。中性洗剤で洗い、形を整えて陰干ししてください。ただし靴は衣類と違い、乾燥機にかけると接着部分が傷みます。洗える表示があっても、乾燥機の使用は避けてください。
左右で足の大きさが違います。どうすればいいですか?
大きいほうの足に合わせて選び、小さいほうは中敷きで調整するのが基本です。レザーパッチワークデザイン 幅広サポートシューズには厚手と薄手の中敷きが2組付いているので、左右で敷き分けられます。むくみや装具の関係で左右差が大きい場合は、足囲を細かく選べるモデルのほうが合わせやすくなります。ご不安な場合はご注文前にお問い合わせください。
スリッパではいけませんか?
室内での転倒は、かかとが固定されない履き物で起きやすくなります。スリッパは足を引きずったときに脱げ、脱げかけたまま歩くと転びます。かかとを包み、滑り止めのついた室内履きに替えるだけで歩行は安定します。足元の対策としては、滑り止めつきの靴下と組み合わせるのも有効です。
まとめ
- 70代80代の靴は「つま先の反り・大きく開く・幅を変えられる」の3点で選ぶと失敗しにくい
- 通販では、夕方に左右とも測り、大きいほうに合わせる。幅は広めに
- 外出用で軽さを優先するなら快歩主義L011(片足約165g・日本転倒予防学会の推奨品)
- お祝いの席やお出かけには、本革3種のレザーパッチワークデザイン 幅広サポートシューズ(5E)
- 施設に持たせるならネーム刺しゅうのできるダブルマジックⅢ。足囲は3Eから11Eまで選べる
- 室内の転倒対策には、スリッパではなくかかとを包む室内履きを。まず試すなら約55gのエスパド
靴は、本人が「これなら出かけてもいい」と思えるかどうかで価値が決まります。歩きやすさだけを揃えた一足は、玄関に置かれたまま古びていきます。おばあさまが鏡の前で足元を見たとき、少し嬉しそうにする——その一足を選んでいただけたらと思います。
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